BCPとITセキュリティをどう両立するか
近年、携帯電話やスマートフォンの普及により、これまでIT化やDX化にあまり縁のなかった企業や団体でも、業務用スマートフォン(以下、支給スマホ)が従業員に支給されるケースが増えています。
業務上の通話やメッセージのやり取り、業務用アプリの利用等、支給スマホは今や『仕事に必要な道具』と言えます。
BCP(事業継続計画)を策定・運用している企業や団体では、災害やトラブル発生時にBCPのルールに従って安否確認が実施されるかと思います。その際、支給スマホは第一の連絡手段に選ばれると思います。社外にいる場合でも、支給スマホであれば連絡が取れる可能性が高く、「もしも」の際の有効な連絡手段となります。
一方、ITセキュリティ(サイバーセキュリティ)の観点では、支給スマホはノートPC等と同様に重要な情報機器として管理の責任が発生し、紛失や盗難、破損等の際は報告が組織内で義務付けられます。そのため、業務時間外であっても従業員には支給スマホを適切に管理する責任が生じます。
先日、BCPのご相談を受けているお客様から次のようなお話がありました。
『最近は支給スマホを旅行や帰省の際に持って行かず、自宅に置いていく社員が増えている。IT管理ルールでは、その方が安全だが、災害時の安否確認や連絡ができない。』というものです。
能登半島での地震のように、帰省シーズンに災害が発生した場合、手元に支給スマホがなく安否確認できないケースが懸念されます。
安否確認サービス(システム)の選定にも関わるとのことで、次のようなアドバイスを行い、社内検討を行なっていただきました。
- 会社支給品(スマホ、ノートPC等)のIT管理ルールを再確認する
※ルールがあいまいな点やBCPルールと矛盾する点を可能な限り解決する - 休日等の業務時間外も業務上の対応が必要な人と不要な人を明確にする(スマホを支給していない人も把握する)
- 支給スマホを常時携帯していない人に対応した安否確認サービスや連絡体制を準備する
- 個人所有のスマホへの安否確認をBCPルールに組み込む
さらに全社的な取り組みとして、会社支給品(スマホ、ノートPC等)の社外持出ルールや社外勤務ルール(出張や在宅勤務)について、ITセキュリティの観点にBCPの観点も加えることで、災害やトラブルに強い組織になる旨をご紹介しました。
ITセキュリティでは、一般的に「機密性・完全性・可用性」の3つが求められますが、今回のテーマは「可用性」にも関係するものといえるでしょう。
また、安否確認サービスの選定にあたっては、次のような機能をオススメしています。
- 支給スマホだけでなく、個人所有のスマホや携帯電話(ガラケー)にも連絡が届く
※ 1人につき複数の連絡先登録が可能 - アプリのインストールが不要
※ 携帯電話番号の登録のみで、SMS(ショートメッセージ)による連絡が可能 - 予備の宛先としてEメールアドレスの登録が可能
- 気象庁からの気象情報や地震情報での自動送信が可能
BCPはITセキュリティと関わることが多く、情報システム部門との連携も不可欠になります。BCPとITセキュリティは相反するものではなく、うまくバランスを取ることで、平時にも非常時にも役立つツールとなります。