長周期地震動階級での安否確認基準は?
「安否確認プライム」の地震自動送信(自動発報)では一般的な「震度設定」だけでなく「長周期地震動階級」の設定も利用できるようになっています。
「長周期地震動階級を設定する場合、いくつに設定しておくのがよいのでしょうか?」といったご質問も受ける事がありますので、今回は「長周期地震動階級」についてお話します。
「長周期地震動」とは規模の大きな地震が発生した際に生じる周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)のことです。
通常は2秒程度以上のゆっくりとした揺れで、継続時間は数分~10分以上です。
高層ビルは長周期地震動の影響を受けやすく、大きく長時間揺れ続けることがあります。
また、長周期地震動は遠くまで伝わりやすい性質があり、震源から数百Km離れたところでも大きく長く揺れることがあり、震源地から離れていても高層ビルの損壊、家具の転倒、人的被害が発生する可能性があります。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震も震源から数百Km離れた場所にある高層ビルで長周期地震動の影響とみられる大きな揺れが生じました。
2024年元日に発生した能登半島地震でも首都圏などで長周期地震動の影響がありました。
このため2023年2月より、震度とともに「長周期地震動階級」も気象庁から発表されるようになりました。長周期地震動階級1以上を観測した場合に観測地点で観測した長周期地震動階級等が、地震発生から10分程度で発表されます。
気象庁の緊急地震速報(警報)の発表基準
地震波が2点以上の地震観測点で観測され、最大震度が5弱以上または長周期地震動階級3以上を予想した場合
気象庁の緊急地震速報(警報)の対象地域
「震度4以上または長周期地震動階級3以上の揺れが予想される地域名(全国を約200地域に分割した地域名)」
※予測震度には誤差が発生する可能性や、岩盤のずれの進み方により、しばらく後に震度5弱以上の揺れが発生する可能性があることから、震度4が予想される地域も含めて発表されます。
「長周期地震動階級」は高層ビルにおける被害の予測から4階級に区分されています。
長周期地震動階級
弊社サービス「安否確認プライム」が推奨している長周期地震動階級はありませんが、長周期地震動の安否確認の基準は、気象庁が発表する緊急地震速報の「最大震度5弱以上または最大長周期地震動階級3以上」を目安とするのがよいかと思います。