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安否確認システムを基礎からおさらい(その3)

BCPや防災の取り組みとして、安否確認システム(安否確認サービスとも呼ばれる安否状況や被害状況の確認システム全般を指します。)を検討したい、調べてみたいという方へ、比較検討のポイントをご紹介します。

安否確認システムを選ぶ際は管理者側(情報発信者側)と安否報告側(従業員側)の両面から検討をお勧めします。

管理者側、安否報告側、双方のメリット/デメリット

  • 自動送信機能はあるか?
    地震や警報の発令時に自動で安否確認メッセージが送信される機能があれば、夜間・休日・管理者の被災等の際にも安否確認ができます。
  • ガラケーにも対応しているか?
    スマートフォン以外の携帯電話に対応できない場合は、確認のモレが発生しますので、SMS通信の利用をお勧めします。
  • アプリのダウンロードやEメール登録は必要か? 個人携帯にアプリのインストールは強制できるのか?
    事前準備のハードルとなり、運用や管理の手間が増えます。事前準備が不要なシステムをお勧めします。
  • 安否報告(回答)の自由度はあるか?
    メッセージの文面や回答の選択肢等の設定自由変更に対応しているシステムをお勧めします。

安否報告側のメリット/デメリット

  • 再通知、再連絡に対応しているか?
    避難中等に安否報告を行うことが困難なため、一定時間経過後に未回答者に対しての再メッセージが行なえるシステムをお勧めします。 管理者側の設定により、未回答者への自動再送信等ができるシステムは、災害時に管理者側の作業負担を下げるメリットもあります。
  • ID/PWを忘れた時の対応は?
    ID/PWが不要のSMS通信もあります。

管理者側のメリット

  • 集計機能やダウンロード機能はあるか?
    安否についての報告や質問項目への回答が集まった後、経営者や対策本部への報告が求められます。該当する機能が無い場合は手計算、手作業での集計となるため、対応の遅れや作業負荷アップにつながります。極力システムによる省力化をお勧めします。
  • スマートフォンやタブレットから操作ができるか?
    (社屋の被災等で出勤できない場面に)パソコン以外からも安否確認システムの操作ができると、柔軟な対応ができ業務復旧にプラスとなります。
  • 連絡経路が災害時に強いか?
    利用する連絡経路(通信手段)には大きく分けて、音声(自動メッセージ)、Eメール、SMS、の3種類がありますが、もっとも災害時の通信混雑に強い(輻輳や遅延が少ない)ものはSMSと言われています。

他にも安否確認システムごとに、外国語対応やファイル添付、部署単位での閲覧や管理等々、様々な機能があります。機能を確認する際は、必要な機能が満たされているか+使い勝手が良いか、といった視点で多角的に比較する事が重要です。 一般的なSNS(メッセージシステム等)や業務ツール(グループウェアや営業管理システム)には無い機能も多数あり、魅力を感じる点も多いかと思います。

安否確認システムを基礎からおさらい(その2)

安否確認システム(安否確認サービス等、呼び方は様々です。※1参照)のおさらいとして今回は安否確認システムのメリットをご紹介します。
※メリットの中でご紹介する機能はシステムやサービスによって、対応している・対応していない、がございますので必ず該当するサービスの操作マニュアル等でご確認ください。

昔からの手法として『緊急連絡網』を備えている場合もありますが「(災害時等は通話制限で)電話がつながりにくい。」「連絡が途中で途切れる(連絡がつかない場合もある)」「連絡を回すために時間がかかる」「連絡の内容が不明確や誤っている(口頭での伝言ゲーム)」といった課題も多く、防災訓練やBCP訓練での失敗事例となるケースも少なくありません。
課題解決の糸口として、安否確認システムを導入・活用する企業や団体、学校等でのメリットをまとめてみました。

安否を報告する側(従業員や生徒等)のメリット
・安全を重視し、各自が回答できるタイミングで安否の回答ができる。
※避難中に電話が掛かってきても、電話対応は危険な場合が多い。安全な場所に避難してから回答できる。
・スマートフォンやガラケーから回答できる。(業務PC等は不要)
・災害発生時に自動で通知+安否確認が届く。(プッシュ通知設定時)

安否を確認する側(会社や団体、学校等)のメリット
・BCP・防災・帰宅困難者の対策として有効。(非常時の連絡手段の確保)
・地震の際など、自動で安否確認が行われる。(プッシュ通知に対応したシステムの場合)
・送達、開封等が確認できる。(SMSを使用するシステムの場合)
・回答の集計やダウンロードができる。(社内報告や検討資料が得られる)
・未回答者への再連絡ができる。(設定した時間経過後に、未回答者へメッセージを発信
・安否確認以外にも、緊急連絡(災害が迫った際の避難や商品の退避等)や業務再開・臨時営業等の一斉連絡ができる。

双方のメリット
・緊急連絡網等で連絡を回す必要がなくなる。
※伝言ゲームの手間や伝わる情報の混乱、連絡が途切れる等のトラブル予防
・電話以外の緊急連絡手段が確保できる。(つながりづらい携帯電話以外の選択肢)
・とりあえず出社というリスクを回避できる。

このように、IT(メッセージの送受信サービス)を利用することで、災害時に不安定になる携帯電話での通話から開放され、スピーディかつ安定した安否確認(情報の伝達)が可能となります。
特にビジネスの分野では、安否の確認後も、安全を確保できた人・出社が可能な人・社屋や事業所にいる人に対して、連絡や指示を出すことも可能な事から、被害状況の確認や業務復旧・業務再開にもプラスになると言われています。(BCP対策での有効性)

※1【参考情報】安否確認ステムの呼び方色々
・安否確認サービス
・安否報告アプリ
・安否情報システム
・安否システム
といった色々な呼び方があります。
安否確認システムは基本的な機能として『事前に登録した社員や生徒に対して、安否を確認するメッセージを送り、回答を受け付ける。』「受け付けた回答を管理者等が確認する。」を持っています。

安否確認システムを基礎からおさらい(その1)

地震や台風などで被害が発生しますと、防災用品と並んで注目が集まるものに『安否確認システム』があります。
まずは安否確認システムについて、今流行りの「ChatGPT」さんに質問してみました。

【質問】
安否確認システムとは何ですか?

【ChatGPTからの回答】
安否確認システムは、災害や緊急事態が発生した際に、被災者や関係者の安全状況を把握するためのシステムです。主な目的は、被災者の安否情報を素早く収集し、適切な支援や救助活動を行うことです。

安否確認システムは、通信技術やインターネットを活用して実現されることが多いです。一般的な仕組みは、被災者や関係者が登録や登録更新を行い、災害発生時に安否情報を提供します。この情報はデータベースやシステム上で管理され、関係者や救援チームがアクセスできるようになります。救助活動の進捗状況や被災地の情報もシステム上で共有されることがあります。

安否確認システムは、被災者の救助・支援活動を迅速かつ効率的に行うために重要な役割を果たします。また、被災者の家族や友人なども安否情報を把握できるため、安心感を得ることができます。災害時の情報共有と連絡手段として、多くの地域や組織で導入されています。


なかなか詳しい回答が返ってきました。AIの能力も侮れません。
今回は特に条件を指定せずに質問しましたので、企業向け、団体向け、学校向けといった安否確認を利用する側の属性等には踏み込まれていません。

安否確認システムが注目される理由として、よく耳にするものとして次のようなものがあります。

①災害に備えて非常時の連絡手段を持ちたい。
②BCP(事業継続計画)やBCM(事業継続マネジメント)の取り組みで安否確認を行ないたい。
③行政の帰宅困難者対策条例等に対応するため。

①~③について解説します。
①は、災害発生時に普段の連絡手段が使えない場合や、事業所に出勤できない場合等に安否確認や一斉連絡を行なうニーズがあります。
②は、機能面でのニーズは①に近いのですが、事業継続における安否確認には『無事です(被害なしや避難済み)、負傷や被害があります』を伝えるだけでなく、復旧・事業再開の状況確認の側面も持っています。一例として、被害状況の報告、出勤可能者の確認等があります。
③は、東日本大震災以降、東京都をはじめ各地の自治体で帰宅困難者の発生を想定した対策条例等が施行されています。
条例の中には会社、団体側の取り組みとして『一斉帰宅の抑制』『従業員との連絡手段の確保』が盛り込まれています。これにより、災害時に電話(携帯電話網)が繋がりにくい、ネット回線が繋がりにくいといった影響にも考慮した連絡手段として安否確認システムが注目されています。

【参考】帰宅困難者対策条例の概要リーフレット(東京都)
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/bousai/1000031/1000939.html

安否確認と言いますと、東日本大震災のような大規模な地震や台風、豪雨災害等が浮かびますが、大規模な交通障害や事故により移動や業務に支障が出る場合、支店や営業所等の営業に支障が出る場合にも活用が可能です。一例として、大雪の際や台風の通過後等に鉄道や航空機の運休、道路網のマヒ等が毎年発生しています。こういった際に電話で個別に連絡を取ることは効率の面でもお勧めできません。

災害の多い日本では、上記のようなニーズが都市部だけでなく全国各地が対象となっています。安否確認システムの導入や活用は防災力アップや事業継続能力のアップに欠かせないと言えます。

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